今では当たり前のように「パワハラ」や「セクハラ」が社会問題として騒がれていますが、20年ほど前はまだ昭和の名残もあり、こうした問題も日常的な出来事として見られがちでした。
会社組織においては、数字が出て利益が出ていれば、社員同士が気が合うかどうかは二の次。たとえ人間関係がバラバラでも、外から見て上手くまわっていればそれで良しとされることが多いものです。
◇1人くらいは“苦手な奴”がいたほうが良い。
職場には、どうしても合わない人が1人くらいいたほうが良いかもしれません。ここで言う「苦手な奴」は、いわゆるパワハラ的な人ではなく、根本的に馬が合わない人を指します。職場は仲良しクラブではないので、むしろ張り合いがあるような相手がいる方がチームにとってプラスになることもあります。ただ、少人数の環境だとその影響が色濃く出てしまうこともありますね。
◇2羽の雄ニワトリが同じカゴに入ると
当時、私は29歳。市内で初めてのセルフガソリンスタンドがオープンし、その主任として勤務していました。毎月の実績は社内でもトップクラスで、さらにはバイクレースにも情熱を注いでいたので、もっぱら働く理由はレース資金のため。環境さえ良ければ長く在籍したい気持ちもありましたが、先のことは特に考えていませんでした。
一方で、私と同じ時期に入社した同い年の同僚がいました。彼は新婚ホヤホヤで、店長に昇格して異動してきたばかり。信念が強く、慕われる後輩も多い一方で敵も多い印象がありました。仕事に対する情熱は誰にも負けない彼との関係は、2羽の雄のニワトリが同じカゴに入れられたようなものでした。
◇約1年半後、退社を決意
毎日のサービス残業、24時間営業店舗での深夜の接客。例えば深夜0時に「エンジンオイル点検しませんか?」なんて、普通の人なら「イカれてる!」と思いますよね(笑)。達成感を味わう瞬間もありましたが、それ以上に店長との摩擦も多かったです。
◇やるかやらないか、それだけの話
会社を辞めてからレースに本気で向き合うことを決意しました。社会的な不安は大きかったものの、あの時「やる」と決めたことで今の自分があると感じています。
◇最後に
20代はあっという間に過ぎてしまいます。ですが後悔はありません。
店長からも「数年後レース辞めたらどうするの?今の仕事を続ける方が将来的に安心じゃない?」と言われましたが、自分にとっての優先順位は明確でした。
それって… 「将来が決まっていない、と決めつけられた感じ」 まるで、「どうせ先が不安定なんだから、今の道にとどまった方が良い」と言われているような気がしました。でも、自分には挑戦したい確固たる意志があるのに(正直不安でしかありませんでしたが(^_^;))店長にはそれが見えていないようでした。
やりたいことに飛び込むのは勇気が必要ですが、自分の気持ちに素直に生きることで、その後の人生が豊かになると信じています。
最後までお読みいただきありがとうございました。