dの日記

2023年50歳になる男の日記

年賀状文化の変化と現場のリアル

相撲や歌舞伎、落語、年賀状、俳句の「五七五」など、日本の伝統文化は数多くあります。

一方、現代日本の独自カルチャーとして走り屋やデコトラ、ドリフト、オタク文化といったものも私にとっては「日本の文化」だと感じます。こうした文化は時代の中で形を変えながら受け継がれてきたものです。

そして、年賀状もまた変化の中にある文化のひとつだと感じています。

◇取扱量の減少と時代の変化

2011年に郵便外務員として働き始めた頃、所属する郵便局での年賀状の取扱数は現在の約2倍ありました。 しかし、SNSの普及や人口減少などの影響で、今ではその半分にまで減少しています。

さらに新聞記事によると、ピークだった2004年と比較すると全体での発行枚数は4分の1近くまで減少しており、年賀状離れは明らか。

郵便局にとって年賀状は大切な収益源であり、繁忙期の象徴でもあります。 しかし、現在の人員体制ではかつての物量を処理するのは難しいのが現状です。 団塊世代団塊ジュニア世代が支えてきた需要が右肩下がりの中、従来のオペレーションを維持するのは困難です。

◇送り手側の課題:乱用とも言える現状

現場で働く中で、「年賀状を乱用しているのでは?」と感じるケースもあります。 たとえば、

・旧住所に大量に送る

・達筆すぎて解読不能の文字

・適当な番地で出される

これらの対応に現場は大きな負担を感じます。中には、「金を払っているのだから郵便局が調べて届けてくれるだろう」といった考えの人もいます。しかし、これが成立したのは人手が豊富だった時代の話。

昔は人海戦術で物量を処理し、終わるまで帰らない働き方が当たり前でした。 ※他の業種でも言える事だが。

しかし今では、人員をギリギリまで削減し効率化を進める中で、そのような対応を続けるのは厳しい状況。 私が所属するような比較的大きな局ではまだ対応可能な範囲ですが、地域によっては本当に人手不足で対応が難しい局もあると思います。

◇年賀状文化を守るために考えるべきこと

「年賀状は日本の文化だから存続すべき」という声はもっともです。しかし、そのためには以下のような現実的な対応が必要だと感じます。

▫︎価格を上げ、取扱数を減らす

▫︎送り手に住所確認を徹底してもらう

▫︎サービス内容の見直し

例えば、多少の遅延や誤配ありきを許容する形にする、もしくは「受け取り型」の新しい仕組みを導入するなど。 元旦配達希望はオプション料金などを頂く。

年賀状は相撲や歌舞伎と同じく「日本の文化」です。しかし、その存続には時代に合わせた形への進化が必要です。送り手も受け手も郵便局も、それぞれが変化に向き合い、文化を未来につなげていく努力が求められているのではないでしょうか…とは言え近い将来、従来の年賀状は消えていく方向に向かってます。

◇最後に

年賀状文化は単なる伝統ではなく、時代とともに変化していくものだと私は考えます。 人口ボリュームの多かった団塊世代後期高齢者になる2025年から、私たち団塊ジュニア後期高齢者になる。 あと25年の間に、日本文化や当たり前と感じていた行政サービスなど、ガラッと変わって行くでしょう。

「あんた仕事する気あんの⁈」って感じられる方もいらっしゃるはずです。ですが仕事に対しての文句じゃなくて、現状をお伝えした記事であり、それと高度成長期からまだ続いている『精神論』の打破とも通ずるものがあると思います。

“やってやれないことはない!” “なるべく早くやっといて!” “長時間職場に居るのが美徳”

少しずつ変化する社会に、こう言った事と意識して向き合う時期はとっくに過ぎて手遅れ状態です。

皆さんは年賀状文化について、どのように感じますか?

12月に入り報道でも年賀状の話題を目にするようになり、配達する身として感じた事です。お読みいただきありがとございました^ ^

2025年用の当初発行枚数は10億7000万枚…年賀はがきの発行枚数などの実情(不破雷蔵) - エキスパート - Yahoo!ニュース

Yahoo!ニュースより引用

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