「まるまつ」で、一番安い定食を選ぶ…。
それは、かつての自分にとってごく自然なことだった。
20年前、私はいつも“白身魚のフライ定食”を注文していました。
特別に好きだったわけじゃなく、ただメニューの中で一番安かったから、
味の好みでも気分でもなく「安さ」で決めるのが日常だった。
今思えば、それは私の中に深く根づいていた“デフレマインド”の表れだったのだと思う。
団塊ジュニア世代として生きてきた
私は団塊ジュニア世代。親は団塊世代で、さらにその上は戦後の混乱期を生き抜いた人たちだ。
その影響か、子どもの頃からずっと、「もったいない」「贅沢は敵」「安さは美徳」といった価値観が空気のように身の回りにあった。
実際、今の収入は20年前と大きく変わっていません。
それどころか、社会保険料などの負担は着実に増え、実質的には手取りは減っていると言ってもいい。
だから「安いものを選ぶ」のは、当時の自分にとって“生きるための正しさ”だったのです。
「安いが正義」の日々
服、家電、スマホ、外食も選ぶ基準はいつも“価格”それが最優先。
たとえばまるまつで外食をするときも、メニューを広げて最安値を探す。
本当に食べたいもの、気分に合うものではなく、とにかく一番安いもの。
白身魚のフライ定食もまさにそうだった。
買い物も同じ。
「欲しいもの」ではなく、「安いから買う」
「似合うもの」ではなく、「とりあえず安いから着る」
そんな選択を繰り返していた20代、30代。
振り返るとそれは自分の人生の“質”を、自分で狭めていたようにも感じる。
経験にお金を使うということ
モノがある程度そろい、生活が整ってきた今、
私は「モノよりコト」つまり経験にこそ価値があると思うようになった。
旅、出会い、学び、そういった“こと消費”に、お金も時間もかけていきたい。
かつてバイクレースに情熱を注いでいたときのように、自分の心が動く瞬間に投資したいのです。
思えば、あの頃の私は普段の生活ではとにかく節約に徹していました。
すべてはレースに資金を回すため。。
ある意味で究極のメリハリではあったけれど、「楽しむ」という感覚は二の次だった。
「安い」には理由がある
賞味期限間近の食品、30km先のガソリンが安いスタンド、型落ちのスマホ。
確かに安い。確かに得した気分にはなる。
でもその分だけ「制限」や「手間」や「違和感」もついてくる。
実際に遠くまでガソリンを買いに行くなら、そこで使うガソリン代と時間を考えると、果たして本当にお得なのか?
人生の“時給”に換算したら、意外と割に合わないことも多い。
そして、安く買った食材に“この日までに食べなきゃ”という縛りが生まれる。
そういったプレッシャーが、生活のゆとりを少しずつ奪っていく。
スマホにしても古いOSで反応が鈍く、パフォーマンスに悪影響が出るなら考えもの。
クオリティ・オブ・ライフ(QOL)を意識してみる
もちろん今でも、「安さ」に惹かれる自分がいる。
20年、30年と積み重ねた価値観はそう簡単には変わりません。
でも最近は「そればかりじゃ、人生がもったいない」と思うようになった。
少しだけ良いもの
少しだけ丁寧な時間
少しだけ背伸びしてみる経験
そういった“プチ贅沢”が、人生の質を上げてくれる気がしている。
デフレマインドとの向き合い方
これからの時代物価は上がる。
どうせなら価値あるものにお金を使いたい。
モノよりコト、安さより納得と満足。
安いものに囲まれていた過去も自分を支えてくれた事実、否定はしない。
限られた時間とお金を、より豊かな未来につなげていくために、意識していきたい。
そんなことを月曜の朝、まるまつのメニューを眺めながら考えていました。

“まるまつメニュー表”
‼️白身魚のフライ定食の値段、倍まではいかないけど上がったね〜