dの日記

2023年50歳になる男の日記

電話線に挟んだ、あの小箱の正体

ふと思い出したアナログ機器がある。

90年代半ば、まだFAXがオフィスの主役で、固定電話が通信の中心だった頃の話だ。ある日、職場に地元でも評判の悪い営業がやってきた。

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このようなアダプター↑

「これを挟むと電話代が安くなります。しかも無料です」そう言いながら、電話機と壁のコネクタの間に小さな箱を取り付けていった。“無料なら特に損はないだろう”…当時の店長はあっさり了承した。今のように会社のルールがガチガチだったら、契約書もなしにそんな機材を置かせるなんて絶対に御法度だろう。

そして私には強い違和感がありました、そもそもやってきたのが“地元の悪”と呼ばれる人物。

そういう人間が、まともな営業をやっていること自体が信じられなかった。「盗聴器じゃないのか?」そんな疑いが生まれても不思議じゃない。

しかも設置のとき、彼はどこかに電話をかけ「通った、通った」と確認している。ただ置いていくだけならともかく、通信の流れを自分で操作しているような姿…ますます胡散臭かった。

後から分かった小箱の正体。通話の頭に「0033」や「0041」といった番号を自動的に付け足し、NTTではなく特定の通信会社に切り替えるアダプター。営業は設置件数に応じてキックバックを受け取れる。つまり“無料設置”といいながら、裏ではきっちり儲かる仕組みと推測。

理屈だけ見れば、通信自由化で広がった営業モデルにすぎない。それに、あの“地元の悪”が真っ当な仕事をするはずがない。私にとってはそこが最大の違和感だった。だからこそ「楽して儲ける影」や「裏の組織の匂い」を感じたのです。

ちなみに、あの小箱は現在ではもうほとんど存在していない。

2001年に「マイライン制度」が始まってからは事前に利用する電話会社を登録できるようになり、こうしたアダプターの出番は消えました。

さらに携帯電話や光回線が普及し、固定電話の通話料競争そのものが小さくなってしまったからです。