
もともと岩角山があったのは旧・白沢村(しらさわむら)で、平成の大合併で本宮市に編入されました。なので現在の住所は 福島県本宮市和田東部 になります。二本松市ではなく本宮市の方です。
バイク仲間の実家近くで、ツーリングのときにもよく通っていた道沿いにあるのに、これまで一度も足を運んだことがありませんでした。
実際に訪れてみて驚いたのは、この山が平安時代の仁寿元年(851年)、天台宗の高僧・慈覚大師円仁によって開かれた霊場だったということ。
境内や参道には巨岩や石仏が並び、山全体が信仰の舞台になっているような、不思議な迫力を感じました。
石段を登る
参道の石段脇には、和田の茶筅による句碑が残されていました。いまでは親とたのみし おいづるをぬきておさせる 和田の茶筅
ポイント(意味をAIに教えてもらいました)
おいづる:稲の苗のこと。田植えの時に親が苗を抜いて渡してくれていたことを指しています。
親とたのみし:子どもが親を頼りにしていた、という意味。
ぬきておさせる:自分で苗を抜き、植えること。つまり「親に頼らず自分でやる」ことを示しています。
和田の茶筅:この地域(本宮市和田地区)に伝わる歌や句の一節で、農作業の様子をたとえています。

農作業を通して「親に頼っていた子が、やがて自分で立ち上がる」という人生の節目を表す一句。
山に入る前から、ここはただの観光地ではなく「人生を映す場所」だと感じさせられます。
金に染まる水面
境内で特に人が集まっていたのは「金花水」と呼ばれる湧き水。

太陽の光を受けて水面が金色に輝く姿は神秘的で、ただの湧水とは思えない存在感がありました。
ガイドさんの話では、毎年必ず見られるわけではない現象だそうです。条件が揃ったときにだけ現れるその瞬間に立ち会えたのは、なんだか特別なご縁のように思えました。
巨岩と震災を耐えた力
参道を歩く途中、ふと気になって「東日本大震災の時はどうだったのか?」とガイドさんに尋ねてみました。

すると、建物には被害があったものの、巨岩はほとんど影響を受けなかったとのこと。地震にすら揺るがない岩。信仰の対象として崇められてきた理由を、身をもって実感しました。
角大師のお札との再会

境内で目に入ったのが「角大師(つのだいし)」のお札でした。
子どもの頃、近所の家や商店でよく見かけたことがあり、「あ!見たことある!」
角大師は比叡山延暦寺の高僧・元三大師良源が、自ら鬼の姿に変じて疫病神を退けたと伝わる姿。
厄除け・疫病退散の護符として今も多くの家庭で貼られていて、知らずに目にしていたものが実はここ岩角山とつながっていたと気づき、不思議な縁を感じました。
意外と近くにあるローカルな価値
平日にもかかわらず参拝者は多く、テレビで紹介された影響もあるようでした。

歩きながら思ったのは「こんな近くに、こんな歴史が眠っていたのか」という驚き。通ったことがある道のそばに、まだまだ知らないローカルな価値がある。そんな発見が嬉しかったです。
思わず買ってしまったかき氷
この日は気温が落ち着いていました。階段を登る前の出張かき氷カー🚗を見て「今日は涼しいし、かき氷は食べなくてもいいかな」と思っていました。
ところが、一通りの順路を歩き終えると汗ばむほど。結局、出店していたかき氷を買ってクールダウンしました。参拝とセットのかき氷も、いい思い出になりました。
座禅体験もできるらしい
岩角山では、初心者でも参加できる坐禅会が毎年秋に開催されています。
受付は早朝、参加費はわずか200円。申し込み不要で誰でも参加できるとのこと。今年は11月10日(日)突撃エントリーオッケーということなので、是非体験したい!勤務表確認してみます。
座禅はまだ挑戦したことはありませんが、こうして初めての経験を重ねていくにはちょうどいい場所かもしれません。
これから
今回の岩角山参拝を通して、歴史的な場所や自分の地域に目を向けることの大切さを実感しました。
福島県という身近な土地に、まだまだ知らない魅力や歴史が眠っている…そう思うとこれからも「初めての経験」を重ねていきたいです。