被害者にとっても加害者にとっても、その家族や周りの人たちにとっても、不幸しか生まないのが飲酒運転です。行為そのものが犯罪であり「まだ大丈夫だろう」「こないだも平気だったし、今回も大丈夫なはず」とハンドルを握ること自体が命を軽んじる行為。
いまだに“酒を飲んだまま運転”を続ける人たちが一定数存在している。これは、まさに時代錯誤のまま取り残された発想です。

数字が示す過去と現在
かつて1990年代〜2000年頃、日本全体で飲酒運転による死亡事故は年間1,200件超にのぼっていました。2000年には約1,276件もの命が奪われています 。
しかし、2002年の法改正(酒気帯び基準引き下げと罰則強化)を契機に死亡事故は減少を続け、2021年には約152件まで減りました 。

それでも「ゼロ」にはならず、2024年には全国で140件(前年比+28件)と、むしろ増加に転じています 。
福島市の現状 ― 目の前の数字
全国の大きな数字に比べて、地元の現状はもっと生々しい。2025年4〜5月の2か月で13件の摘発(前年同期より+7件) 同年8月時点では41件に達している 。
わずか半年も経たないうちにこれだけの件数が摘発されている事実は、「飲んで運転する人間がまだ確実にいる」という証拠です。
さらに福島県全体でも2022年47件 → 2023年59件 → 2024年は11月末で46件と、全国ワースト上位に入る割合を示しています 。
※データは警察庁「飲酒運転根絶サイト」、福島民報、TBS NEWS DIGの報道に基づく。
刑罰はどう変わってきたか
飲酒運転に対する罰則は、この30年で大きく変わりました。
2002年:酒気帯び基準を呼気1ℓ中0.25mgから0.15mgへ引き下げ。違反点数や罰金を大幅に引き上げ。
2007年:幇助(酒を勧めた・車を貸した・同乗した)も処罰対象に。懲役刑や高額罰金の幅が広がる。
2009年:救護義務違反や酒酔い運転の行政処分がさらに厳格化されています。
一昔前は「罰金払えば社会復帰余裕」という時代もあった。しかし今は懲役刑や職を失う現実が伴う。それでも飲酒運転はなくならない。
過去の自分に向けて
もし過去の自分に会えるなら、胸ぐらをつかんでこう説教してやりたい。
「テェメェが事故を起こさなかったのは“たまたま”だ。根拠のない自信で命を賭けるな。武勇伝でもなんでもねぇ!恥を知れ!恥を!」
道路交通法、ハメ外してオッケーの時代は去りました。運転のクセの見直しと、危険意識を一人ひとりが強く持ち、心の緩み(飲酒運転・スピード)でダークサイドに落ちない運転をしていこう!