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2023年50歳になる男の日記

【motoGP観戦】来場者数と地域経済

今年のmotoGP日本グランプリは、数字からしても盛り上がりを見せました。3日間合計で90,096人。金曜は14,726人、土曜29,067人、決勝の日曜は46,303人。去年(2024年)が80,131人、一昨年(2023年)が76,125人だったので、ここ数年でグッと回復しているのがわかります。コロナの揺り戻しを経て、確実に“現地で観たい人”が戻ってきている証拠でしょう。2018年の96,425人にはまだ届かないけど勢いを感じます。

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この観客数がどのくらいお金に換算されるのか。あくまで概算ですが、同じ人が3日間来場実したとしての人数を8割(約72,000人)とすると、チケット代平均1万円で7億円強。さらに飲食やグッズなど追加消費を25%ほど乗せると、トータルで9〜10億円規模になると考えられます。2024年は8〜9億円、2023年は7億円台だった計算になるので、この2〜3年で3割増し。やっぱり数字の迫力はすごい。

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現実の課題 ― 車社会前提と地域の担い手

この数字の裏には「地域の現実」も見えてきます。まずアクセス面。観戦そのものはシャトルバスで来場できるけれど、買い出しや宿泊地との移動、夜の温泉立ち寄りまで考えると、自家用車の自由度に勝るものはない。実際、私も帰り道は町を抜けるだけで1時間以上の渋滞に巻き込まれた。motoGPは自家用車を持つ人が強いイベント。アクセスのしやすさが、そのまま観戦体験や消費行動の差になる。

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さらに、地元の規模感とのギャップです。茂木町の人口はおよそ 1万1千人、そのうち4割以上が高齢者。生産年齢人口は6千人弱にとどまります。隣町の市貝町も人口は約1万500人で、こちらも現役世代は6千人台。つまり、もてぎサーキットに集まる9万人という観客数は、地元住民の総数の8倍以上。この「人口ギャップ」が、イベントを支える現場にそのまま現れていました。

入場ゲートや観戦エリアでチケットチェックをしていたのは、大学生くらいの若者アルバイト風の人たちが多く見えました。地元から来ているのか、それとも派遣会社経由なのかは分かりません(聞けばよかった)そうした“イベント要員”が前線に立ち、シニアが裏方で支える。この対比はとても象徴的でした

会場の仮設トイレの清掃やゴミ回収をしていたのは、どう見ても地元の年配の方々。おそらくシルバー人材センターを通じて働いているのでしょう。高齢化率が40%を超える町の人たちが、全国からの観客を迎えるために汗をかいている。その姿に、「運営を支えるのは地域の人なんだ」と実感しました。

町に残る違和感と課題

市貝の保養センターに寄ったときもそれを思いました。金曜夜は空いていたのに、土曜の夕方は洗い場で行列。湯船で「いやだいぶ混んでるね、あれか茂木のバイクか⁈」とこぼす地元の声。受付の女性も「この時期は毎年そうなんです」と苦笑い。入浴料は550円で変わらないのに、手間だけ増える現実に感じる。(総入湯税はかなりの額になるはずだが)

町を歩けば昭和で時が止まったような商店街跡。全部を新しくすればいいって話ではないけれど、このローカル感を活かした仕掛けがあってもいい。motoGPは確かに経済効果を生むが、それは年に一度のドカンとした収益です、また地元商工会の仕掛けも感じられません。毎年恒例のただ過ぎ去るビックイベントなのか?

どう日常の収益や地域文化に橋を架けていくかが、これからの課題ではないか。

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未来への問い

数字の大きさと、渋滞に巻き込まれる自分の体験、そして黙々と働く地元の高齢者。その全部がそろって初めて「motoGPが地域にもたらす現実」が見えてくるのだと思います。

そしてふと考えてしまうのです。5年、10年後に残るのはサーキットだけ、という地域になってしまうのかもしれないと。人口減少と高齢化が進めば、イベントを支える担い手も減っていく。そんな未来の可能性もゼロではありません。だからこそ、数字に浮かれるだけでなく、いま何を地域に残していけるのかを考える必要があるのだと思います。

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これが、今年のmotoGPを通じて私が感じた「数字と現実、そして未来の可能性」でした。