国道で軽乗用車が横転、男女6人が救急搬送され5人死亡 三重・名張(朝日新聞) - Yahoo!ニュース
国道で起きた痛ましい事故
先日、三重県名張市の国道165号で軽乗用車が横転し、乗っていた男女6人のうち5人が亡くなる事故がありました。深夜0時過ぎ、定員4人の軽自動車に6人。報道の数字を追うだけなら他人事のように見えるかもしれませんが、その光景はかつての自分と重なります。
ノリで詰め込み、走り回った若い頃
18、19歳の頃、私も同級生たちと軽自動車に詰め込まれて夜な夜なドライブに出かけていました…生まれが早く免許を取得した仲間に乗せてもらう。悪ふざけもあり6人も7人も詰め込み、私は屋根に掴まって走ったことさえあります(※超低速で)危険だと分かっていても、仲間と笑い合えば怖さは薄れ、「なんかワクワク!楽しい」がすべてを正当化してしまう。あの時、事故が起こらなかったのは本当に運が良かっただけです。もし相手からのもらい事故があったら、自分もリアシートに4人座っていた同級生も、今ここにはいなかったでしょう。
深夜のアルバイト、金とリスクのてんびん
30代のはじめ、コンパニオン送迎のアルバイトを一年ほどしていました。週に2回か3回程度、温泉地から若い女性たちを送迎。燃料代は自腹、報酬はありましたが…思えば深夜の時間と引き換えに小銭を追いかけていたようなものです。別なアルバイトもこなしていたため、本職での判断ミスやキレの悪さに、因果関係がないとは言えません。
定員オーバーになることもあり、事故が起きれば運転手である私が責任を負うリスクもありました。そんな当たり前のことさえきちんと理解せず、目先の金欲しさで夜中の道路を走り回っていた自分を、今は愚かだと感じます。
地方都市だからクルマになる
都会なら深夜の移動手段に電車やバス、タクシーという選択肢があります。しかし地方都市ではクルマがほぼ唯一の足です。友人同士で集まるにも、仕事で移動するにも、クルマがなければ始まらない。
私の想像です、よくある“仲間との集まり”での移動や“軽に何人乗れてどこまでいけるの⁉︎”的な悪ノリと、捻れた冒険心が生まれたことで、危機感や違和感を持つことが薄れて起きた事故ではないか。これが何もなくただ単に警察に違反切符を切られれば、日本のどこにでもいる地方のヤンキーの集まりから発生しただけだろう。
そして無理をしてでも一緒に乗る、早く帰るために詰め込む、といった行為が起こりがちです。「地方ヤンキーならではの構造」が危険を増幅しているのだと思いました。
時間をどう使うか
若い頃の自分は、近視眼的に「目先のお金」や「今日の楽しさ」しか見えていませんでした。しかし、後になって振り返ると、人に与えられた時間は平等で、それを成長に使うか無駄にするかは自分次第です。30代になってからもそのことに気づかず、深夜のアルバイトで時間とリスクを交換していました。今こうして生き延びているからこそ、あの頃の過ちを直視し次の世代に伝えるため発信していきたい。
若い頃の“ハメ”が生むもの
10代や20代でクルマやバイクを手に入れると、ハメを外したくなるものです。スピードを出したり、定員オーバーで出かけたり、無謀な遊びをしたり。それは仲間内では武勇伝のように語られるかもしれませんが、破天荒な生き方ではなく単なる未熟さの表れです。地方では「みんなやっていた」という空気や同調圧力が背中を押し、ヤンキーカルチャーの一部として受け止められてしまうこともあります。
形になる前に終わってしまう命
まだ自分が何者か形作る前に、わずかな油断と一瞬の事故で命を終えてしまう。これほど残念なことはありません。2000年代くらいまでは地方都市に若者が多く、夜のドライブや定員オーバーは「当たり前」の光景。きっと同じ年代で私と同じような経験をした人はたくさんいるのではないでしょうか。
令和の時代に同じことを繰り返さないために
少子化で若い世代が減った令和の時代でも、同じような事故が繰り返されています。減るはずの「若者の死」が、地方の道路でまた起きてしまうのはなぜでしょうか。誰かを責めるだけではなく、かつて同じ過ちをした大人たちが自分の経験を語り、危険を身近な話として伝えていくことが必要だと思います。
おわりに…生き延びたからこそ書けること
何もなかったのはただの偶然。生き延びたからこそ、今こうして文章を書き、若い世代に届けることができます。怖さを知らないから怖くない理論…適度にやらかし経験、良くも悪くも車社会での安全意識が上がったのは事実。ですが、そんな経験せず同じ過ちを踏まないように、ハンドルを握る若者たちにはどうか安全を第一に考えてほしいです。
地方の夜道を駆け抜けた過去の自分に言葉をかけるとしたら、「その楽しさは命と引き換えにするほど価値はない」と伝えます。
そう思える今の自分がいることが、奇跡なのだと感じています。