dの日記

2023年50歳になる男の日記

年賀状と同調文化の行方

今回の年賀状配達。すでに準備段階であの忙しさを感じませんでした。例年なら年賀業務で10連勤が当たり前。クタクタになりながら、年末元旦をやり抜く感覚がありました。

でも今年は違う。定期的に休みが入るシフトで、身体の消耗も、精神的な張りつめも明らかに少い。触った瞬間に分かるほど少ない…オペレーション上も準備開始は12/26から、いつもより2日ほど遅い(確か)。

昨年はインフルエンザ流行で欠員の中、詰め詰めで処理していたため「少ない」と実感する余裕すらなかった、でも今年ははっきりと分かります。

 

desuke41.hateblo.jp

 

いつもはフルメンツ出勤だが、今年の元旦配達は減員配置。人を減らしても、無理なく回っている。この時期にありがちな、年賀仕分けのストレスで、ブチ切れて暴れる人間も見かけない…この時期の“風物詩”なのだが…全体として異様な静けさです。

思ったのは今年が特別なのではなく、これまでが異常だったのではないかと。

✅無料サービスという名の「忖度」

年賀状には「止め置き(留置)」という扱いがある。※通常郵便も。

配達せず、局で保管し、指定日にまとめて配達するサービス。もちろん料金はかからない。しかし現場の感覚として言えば、これはもうサービスというより忖度。

基本は取りに来ない。それでも「来るかもしれない前提」で保管し続ける。ごく稀に事前連絡もなく突然取りに来るのは、完全にゲリラ行為。対応はできる。でもそのたびに確認・チェックが発生(すでに確認はしているが)、人と時間というリソースが確実に削られていく。“じゃ留めなきゃいいのに”…。シンプルにそう感じるんです。

また、こちらのミスで配達してしまったケースも過去にあります。原因は確認不足です、あとで気づき回収。

企業によって休業開始日が違ったり、多くは12/27から1/4まで。銀行や自治体系だと変わってきます。ポストあるのに留置…だけど速達系は配達して欲しい、この日だけ事務所に人がいるから配達してくれ等、個別対応でこちらもパッと頭に浮かばない。数箇所ならわかるが、毎年数百件あります。

似た構造は、配達不能の対応にもある。店や事務所が休みで配達できない場合、「配達できませんでした」と書いた紙をドアやポストに挟む。

ココは親切ではある。ただ同時に、問い合わせを呼び込む装置でもある。夜に電話が来る。1月2日のような配達をしていない日に来る。結局こちらが対応に追われる。冷静に考えると、こちらが自分で仕掛けた時限爆弾のようなもの。

誰かに求められたわけではない、昔からそうしてきた無料サービスとして残ってきた。その結果が、先回りした忖度の仕事を発生させます。

✅郵便料金は「高くなった」のではない

年賀はがきが1枚85円になったことを「高くなった」と言われることが多い。でもこれまでが安すぎたと、私は感じます。

人口が多く物量があり、薄利多売で回っていた時代だから成立していた話。使う人が減れば、無料で維持してきたサービスは破綻します。これは郵便に限らず、どの業界でも起きていることではないでしょうか。

極端な話、年賀状は1通300円以上でもいいと思っています。それでも出す人は出す。それが本当の「お年賀」だと思います。

郵便局がそれを代行して配達する。枚数は減るが、社会インフラとして、その方が健全です。

“はがき料金の推移(年代別)”

1989年:41円(消費税導入)
1994年:50円
2014年:52円(消費税8%)
2017年:62円(税以外では23年ぶりの値上げ)
2019年:63円(消費税10%)
2024年:85円

ピークだった2003年、年賀状の発行枚数は約44億6千万枚。2020年には約19億枚まで減少。

✅高校生ユウメイトの歴史

かつて年末の郵便局では、高校生アルバイト(ユウメイト)が組立や配達補助に大量に投入されていました。2000年代前半までは、「冬休みに郵便局で働く高校生」は珍しくなく、私たちの局でもコロナ前のあたりまで、お手伝いをしてもらっていました。メインは年賀仕分けですが、部活動の精鋭男子は配達の業務を自転車でしていました。年末の数日前から地図を見ながら配達…少しなれたら終了。みんな部活がらみで参加しているようで、アルバイト代は学校に入るような事聞いたことあります。“個人には入らないなんて”モチベーション以前に、素直な学生さんだから、お願いできた事です。

しかし・年賀状枚数の減少・労務管理の厳格化・学校側のアルバイト制限(?)

これらが重なり、多くの局で高校生ユウメイトは姿を消しました。私の局でも、現在はお願いしていません。これは全国的のようです。

ユウメイトさんの仕事を準備する段取り、これまた激務。午前中に配達終わらせ、13時からのメイトさんの仕事を準備すら作業…「これやるなら、自分たちでやったほうが早いし楽じゃね?」そんな空気、実はありました。

✅同調で回っていた文化の終わり

年賀状が当たり前だったのは、「みんながやっているから」という同調の力が強かったからではないでしょうか。

日本人は、みんなと同じであることを教育の中で身につけてきました、私も深く染まっています。年賀状文化って、その延長線上ですよね。

ですが、年賀状そのものが悪いわけではなく、もらって嫌な気はしないじゃないですか!気持ちが通う場面も、確かにあるんです。しかし量で回す時代は終わった…と。

 

年賀状の将来、私は関わりながら見ていきます。

 

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出典:企画の種より