dの日記

2023年50歳になる男の日記

【読書】久しぶりに小説を読んだ『コンビニ人間』

久しぶりに小説を読みました。村田沙耶香さんの『コンビニ人間』です。

f:id:desuke41:20260309131559j:image

2016年に発売された本なので、もう10年近く前の作品になるんですね。ただ、読んでいて感じた時代背景は、だいたい2010年前後の空気でしょうか。

作中では、主人公の古倉さんが1998年に大学1年生という設定になっています。自分と比べると、おそらく3つか4つ下くらいの世代になります。

ちょうど自分もその頃は20代で社会に出ていた時期なので、読んでいて「こういう空気あったな」と感じる場面がいくつもありました。

特に印象に残ったのは、同級生たちとのバーベキューのシーンです。

言葉としては強くないのですが、「社員にならないの?」「結婚しないの?」といった質問が、ごく普通の会話として出てきます。

悪意があるわけではないんでしょうが、どこか人の生活に土足で踏み込んでくるような同調圧力の感じもあります。読んでいて「そんなこと聞く?」と地雷を踏まれるわけではありませんが、違和感を覚えました。

とはいえ、思い返してみると、あの頃は確かにそういう空気がありました。久しぶりに会った人からでも「今何やってるの?」「社員なの?」といった話になるのは普通。

実は自分も、コンビニで夜勤のアルバイトをしていた時期があります。だからなのか、この小説の空気には、どこか重なる部分も感じました。

作中に登場する白羽のような人物については、「こんな人本当にいるのかな」と思いましたが、振り返ってみると、似たようなタイプの人(同じコンビニに)、確かに居ましたよ…!

古倉さんや白羽ほど振り切っては居ませんが、闇というか、強固な自分論。税金も納め社会の一員だが、自分は主体にならないフリーライド的なオーラをかもしだす。

そう考えると、コンビニという場所は、いろいろな人が社会の一員として歯車になれる場所でもあるのかもしれません。

この小説を読んでいて、結局考えさせられたのは「普通とは何なのか」ということでした。

主人公の古倉さんは、自分では振り切りすぎの「普通ではない」と感じながらも、コンビニの中ではきちんと社会の役割を果たしている。

そして最後には、「自分はコンビニの人間だ」と気づき、そこへ戻っていく…。

少し気の毒にも感じますが、あれはあれで、古倉さんにとっての居場所だったのかもしれません。

約150ページほどで読みやすく、テンポも良い小説でした。特にバーベキューのシーンは、その場にいるような空気が伝わってきて、とても印象に残りました。

久しぶりに小説を読んでみて、あらためて「世間」・「同調圧力」。そして「普通」というものについて考えさせられる一冊でした。おすすめの一冊です😊。