◆ 部屋の中にあった“絵”
今回訪れたのは山梨県の都留市。人口およそ3万人の小さな町。 福島市(約28万人)に暮らす身としては、やはり「静かで、こじんまりとした町」という印象です。
宿泊した「ビジネスホテル都留」 決して新しい宿ではないが、部屋に入ると、どこか落ち着く空気があった。
年季の入った机とランプ、それらが持つ質感に、心がすっとなじむ。
そして、 壁に掛けられた一枚の風景画。すすき越しに町が広がり、その奥に富士山らしき姿。 左下には「M. Masuda」のサインがあった。
素人の作品かとも思ったが、どこか引き込まれる力を感じる。
◆ 点と点がつながったギャラリーでの出会い
翌日、ホテルの斜め向かいにある、「都留市立ミュージアム」を訪れた。 無料で入れる地域博物館で、古代から近現代までの都留の歴史を知ることができる施設だ。
江戸時代の城下町としての名残、養蚕や絹産業の発展、そして近代のまちづくり。 展示をひと通り見て回ったあと、「パリの街灯」という不思議なテーマの絵の展示が目に入った。
「なんで都留でパリ?」と違和感を抱きつつ、キャプションを読む。 描いたのは“増田さん”という都留市出身の画家だった。
……あれ?
そう!私が宿泊した部屋に飾られていた絵にも「M. Masuda」と書かれていた。 このとき、ひとつの点と点がつながった。 あの絵も、この絵も、同じ“増田さん”による作品だったのです。
都留のホテルで偶然出会った絵と、まちのミュージアムで出会った別の作品。 一本の線となった瞬間でした!
◆ 地元の道と城下町の名残
都留市は、とにかく道路構造が独特と感じました。 国道があり、バイパスがあり、さらに昔ながらの細い道が並走するように存在している。
これはやはり、城下町としての発展の歴史に由来するのだろうか?? 現代の車社会とは規格が合わない狭い道幅も多く走りずらい。
でも、その“道の複雑さ”にも、長く続いてきた町の物語が宿っているのだと感じます。
◆ 文化と生活が交差する町で
都留には大学もあり、生活に必要なチェーン店もそろっている。 ハシドラッグ、ガスト、モスバーガー、マクドナルド、シャトレーゼ、カインズホーム─、24時間営業のスポーツジム。
小さな市とは思えないほどに暮らしの機能は整っており、改めて日本って凄いと感じます。
◆ 旅がくれた「線になった記憶」
旅先では、なんでもない出来事が急に意味を持つことがあります。 偶然泊まったホテルの部屋に飾られていた絵と、ミュージアムで出会った作品がつながった今回のようにw,
探偵のように何かを「突き止めた」というより、 「その絵の出会いの意味を後から知った」…そんな感覚に近いです,
都留という街の時間と文化、それをほんの少し感じることができた旅です。
◆偶発的ハプニングも旅の醍醐味
金曜の夜、夕飯を兼ねてホテル周辺の居酒屋に入った。 まだ18時過ぎ。 店内は静かだったが、19時近くになると一気に賑わい始めた。 「やっぱり需要はあるんだな」と実感する瞬間だった。
ボックス席に座り、焼き鳥をつくね、手羽先、刺身三点盛りを注文。 ひとつひとつ味わうにはちょうどよい…が、最後にサラダを頼んだところで小さな“事件”が。
出てきたのは、4人分はありそうな大皿サラダ。 「ミニサラダ」の存在を見逃したのは完全にこちらのミス。 普段コメダ珈琲のサラダサイズに慣れていた感覚で、うっかり“大皿”を体験。
もちろん店員さんに非はない。 注文を受けたのはおそらく新人さんで、丁寧な対応だった。 もしベテランのスタッフなら、「お一人ですと結構量ありますよ」と声をかけてくれたかもしれません。
しかしそれも旅の味って事でw
結果お腹はパンパンになり、お酒の2杯目に届かず(結果中ジョッキ一杯のみ) それでも都留という町の“金曜の夜”を味わえた気がしました!
◯田原の滝
都留の町を少し歩いた先に、「田原の滝(たはらのたき)」という名所があります。 桂川にかかる段瀑で、落差は大きくないが岩壁の形が美しい! 富士山の火山活動によってできた柱状節理の岩肌を、澄んだ水が流れていく。
松尾芭蕉もこの地を訪れ、「勢ひあり 氷消えては 滝津魚(たきつお)」という句を詠んだそうです。