dの日記

2023年50歳になる男の日記

「あの嫌いな店主の店で食べてみた」

ある配達先に、季節の旬な食材を使った料理を提供する飲食店がある。

ポストがなく、配達の際は店内の棚のようなところに置くのだが、以前お客さんの近くに配達物を置いたら、「邪魔だ!置くんじゃねぇよ!」と罵声を浴びせられた。

他の人もバイクの停める位置について怒鳴られたことがあるという。

確かにお客さんの邪魔になる行為だったのかもしれないが、外にポストを設置してくれたらと思う。でも言わないけどねw

多くの飲食店に郵便ポストがないことも事実だ。

私が担当する日はランチタイムを避け、休憩時間に“そっと静かに”配達するようにしている。怒られるとメンタルに響くからだ。

◇なぜムカつく店に食べに行ったのか

事前情報では、店主一人のワンオペスタイル。水やご飯はセルフサービス。建物は古く、持ち物件かは不明だが、市内の繁華街にあり、オフィス街も近く、ランチタイムには地銀本社からもお客さんが訪れる。

配達時にはいつも気を使い、店の前を通るたびに嫌な気分になるのに、なぜあえて食べに行ったのか。それは、コロナ禍でも生き残り、常連客もいるこの店、もしかして料理がめちゃくちゃ美味しいんじゃないのか?と職場で話題になったからだ。

◇超絶美味しかった牛タン赤ワイン煮

ランチタイム前の11時半、店の引き戸を開けるとまだ誰もいない。なんとも気まずい空気が流れる店内。「カウンターのそこ…そこに座って」と、店主は一切笑顔なしで指定してくる。事前にメニューが店内にないことを知っていて良かった。外のボードに書いてあった牛タン赤ワイン煮を注文。

店主の低いトーンの「あいよ」が響く。この人、もしかしてカタギじゃないのか⁈ スキンヘッドだし、そう見えてきた。

前菜がすぐに出され、野菜と豆のスープで胃を準備してからメインの牛タンが登場。柔らかくて濃厚なソースが絶妙に美味しい。セルフでよそった麦飯とも相性抜群だった。料理をスマホで撮りたかったけど…ビビってやめときました。

◇媚びない、ブレない信念を感じた店主

私の後に入店したサラリーマン二人組の一人が、肉が食べられないらしく、魚料理はないのかと尋ねた。すると店主は「外に書いてあるだろ!今日は肉だけだ」と一言。魚料理の日もあるが、サラリーマンたちはそのまま帰っていった。

店主は私たち配達員や仕入業者だけでなく、客にもはっきりと強めにものを言う。しかし、料理は絶品。私も背中に汗をかきながら、その信念を感じ取った。

◇また食べに行きたい

飲食店でお客だからと態度が大きくなりがちだが、この店ではそんな感覚が吹き飛んだ。頑固な店主のワンオペ飲食店、これから増えるのか減るのか。人手不足の中、少しだけでも気を使って食べに行きたいと思う。私にはないブレない信念を持つ店主に、少しだけファンになってしまった。そして、何より料理が美味しかったからだ。

実際に食べに行って、見方が変わったという話…次回の目標は平日真っ昼間から、日本酒をオーダーしてみる^ ^ ジジイ店主の反応を見てきます!

今回もお読みいただきありがとうございました!

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